個人情報越境提供標準契約の締結と届出

2023年5月30日、中国のインターネット情報弁公室は、「個人情報の越境提供にかかる標準契約の届出ガイドライン（第一版）」を公布しました。同ガイドラインには、適用対象、標準契約の、届出の方法と流れ、届出の所要書類などについて、詳しい説明が展開されております。そして、その別添資料には、標準契約のモデル条項及び個人情報保護の影響に関する評価報告の雛型が付いております。

日系企業に対し、注意を促したいのは次の2点となります。

①「個人情報の越境提供に関する標準契約の弁法」第6条によれば、標準契約は、本弁法の別添に厳格に照準して締結しなければなりません。つまり、標準契約を変更して締結することすら、原則許されない状況です。（ただ、標準契約と抵触しない内容は合意の上定めることができる）

②これまで個人情報の海外提供がある企業は、2023年11月末までに届出を完成させなければなりません。実務の観点から、所在地の管轄部門の混み具合を考えれば、早期にアクションを取った方がよいと考えます。

現時点の結論として、業務上において個人情報の収集や生成にあまり関わらないTo Bの企業様におかれましても、個人情報を中国外の親会社、関連会社又は取引先に提供することがあれば、個人情報越境提供標準契約の締結と届出に対応せざるを得ない、ということです。

標準契約の中文版及び日本語訳が必要であれば、又は、標準契約の締結や届出についてご不明な点があれば、弊事務所のジャパンデスクまでご連絡頂ければ幸いです。

以上