「広告の絶対化用語にかかる法執行のガイドライン」の概要
2023年2月25日、国家市場監督管理総局は、「広告の絶対化用語にかかる法執行のガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を公表した。本文では、ガイドラインの概要について簡単に紹介してみたい。
中国の広告法第9条第3項により、広告に「国家級」「最高級」「最高」等の絶対化用語を使うことが禁止されている。これは、誇大宣伝、消費者の誤認惹起、又は他の事業者を貶めることを防ぐための立法である。しかし、一部の地方市場監督管理部門による監督・執行の過程で、「基準の単一化」「判断の単極化」との傾向が現れ、一部の広告行政処罰案件に「過度の処罰」が生じている。企業の経営者としては、不注意やミスで厳罰を招くことを恐れ、ある程度の不安を感じているようである。このような背景の下で、法執行の基準を統一し、中小・零細企業の権益をよく保障し、良好なビジネス環境を作るために、ガイドラインが制定された。
ガイドライン第2条により、広告の絶対化用語とは、広告法第9条第3項に定めた情状を指し、「国家級」「最高級」「最高」及びそれと同じ意味、又は類似の用語を含む。しかし、どういう用語がこれに当たるかは明確にされておらず、実務において、どのように把握すれば良いのかが問題になる。
文字通りの意味から見ると、絶対化用語の語義は「最も」「極」又は「一番○○」等の意味を含み、その意味を含むいかなる表現も絶対化用語に当たる可能性が高い。しかし、「完璧」「それに匹敵するものがない」というような用語は絶対化用語とされてしまうリスクがあるかどうか、実務において論争が存在している。ですので、文字通りの意味だけを考えることは不十分であり、その他の要素と合わせて、総合的に考えるべきだと思われる。
ガイドラインが制定される趣旨から見ると、用語の具体的な表現によって、それが物事の発展の客観的な法則に反する可能性があるか、消費者の誤認を招く可能性があるか、不正競争をもたらす可能性があるか、等の要素を考慮して判断すべきだということである。これらについて、ガイドライン第5条、第6条は、広告法第9条3項に定めた「絶対化用語」の判断基準をさらに細分化している。よって、ガイドラインの施行により、行政による広告への監督管理がより合理的になるであろう。
上記ガイドライン及びその他関係事項について、ご不明な点があれば、弊事務所までご連絡頂ければ幸いです。
以上